第2章 無雙直伝英信流

第9節 河野百錬の嘆き「嘆異録」(3/18)


『無雙直伝英信流嘆異録』

2.抜き付けのこと

【要旨】

【解説】

(1)抜き付け
別ページにも書いたビデオでは、確かに刀の柄頭を斜め右前に向けてズルッと引き出し、二挙動での抜打ちが見られます。
正しい抜打ちは切先が鯉口を離れるとともに眼前の敵に向かって一瞬に斬りつけます。柄に手をかけてから斬りつけるまでが大きな意味で一挙動となり、節や滞りがあってはなりません。さらに、「切先」と「物打ち」が有効に働き、刃筋が通り眼前の敵を正しく斬りつける様にしているかをしっかり認識していなければいけません。

(2)鞘の傾き
敵に刃筋を読まれない様に、鞘から抜き出す刀は鞘とともに徐々に傾けて行きます。易水館では、鯉口に切先が残る状態で45度、抜き放つ瞬間に横一文字なら90度、切上げなら130度に返せと教わります。最初から90度に傾けて抜きつける流派があるとの事ですが、敵に横一文字の刃筋を読み取られるだけでなく、刀身に傷や曇を作る原因ともなります。
鞘の中の刀は抜刀・納刀時であっても峰が鞘に接している状態が正しいのです。

(3)抜き出す方向
抜きかけの柄頭は自分の体の中心から敵の体の中心に向けて抜きます。相手を柄で貫く様にとでも言いましょうか。変に格好を付けて柄頭を下げたり、右ひじを前に出す様に自分の左側に向けて抜き出すなど問題外。自分の身の丈や実力に会った長さの刀を用い、右肩を入れて抜く様にすればまっすぐに抜けます。何事も「余分」や「無駄」をしない事。これは武術の極意ではないでしょうか。

(4)つま先を立てるタイミング
正座の場合、柄に右手をかける刀を抜きかける、腰を浮かす、両つま先を立てる・・・は同時に行います。


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最終更新日 : 2006年6月3日