初伝-正座の部
ニ本目:右(みぎ) 動画(.mov 2,205kb)
前(まえ)のバリエーションで、自分の左にいる相手に対するものですが、抜き付けの時の足さばきのみならず全体に足さばきが前と逆になります。
剣道は右足が常に前にでますが、剣術では左も右も同様にこなせなければなりません。
(動画のキャプションは「左(HIDARI)となっています。間違いです。すいません・・」)
【状況】
左横に自分に向いて座すものの害意を察知し、相手が刀を抜く前に敵のこめかみに抜き付け、さらに上段から斬り下してとどめを刺す。
【所作】
敵が左にいる事の他は前に同じ。
自然に、いつかかったかわからぬ様に。ゆっくりではない。そおっとでもない。
鍔を押す親指は指の腹を切らない様に刃の真上辺りではなく、少し内側(体側)を押す様にする。
右膝を回転軸にして左足を左に踏み出しつつ右足先は右に振り、体を90度左に向けつつ刀の柄頭を敵の顔(眼)に向け、抜き出す刀身が敵から見えない様にゆっくり抜き出す。
最初はゆっくり、徐々に早くする。鞘は45度を意識して徐々に傾けていく。
※1:前とは逆である事に注意。
切っ先が鯉口に残り数センチ程度のあたりで、鞘を腰にそわせ後ろに引く「鞘引」とともに右膝を支えに左足を※2さらに少し前※3に踏み出し、刀を一気に横一文字に抜きつける。「落とし」はここで意識する。抜き付けた右手は肩の高さ、切っ先はまっすぐ前より少し内側に入る感じ。
目付は正面の敵を見据える。(どうしても見たくなるが、切っ先を見てはいけない。)
※2:前とは逆である事に注意。
※3:すでに左足は前に出ている状態なので、抜き付けとともに心持ち前に出す。
右手は強く握らず軽くそえ、左手で刀をまえに投げる様に振り下す。力で斬るのではなく、刀が斬るようなイメージ。
振り下したとき左手は臍の前10cm程度のところにくる。左右の手を内側に絞り込んで切っ先を止める。
左手を柄から離して左腰骨盤の辺りに添え、右手は刀を右に大きく開く様にする。
切っ先は常に鍔元より低く、しかし低過ぎてもだめ。伸ばした右腕が体の右横に来たあたりで今度は拳を頭の方に巻き込む様にし、柄で敬礼するよう形に持って行く。
刀は正面から見て外側に30度程度外側に開き、かつ45度程度切っ先下がりとなる。柄を持つ右手は耳の辺りにあり、胸を張る様にし肘が落ちない様にする。
右手の働きにより、刀身が頭の上を通り前髪をかすめる様に大きく前に降り出す※1。
同時に右足を左足に引きつけ※1居合腰となる。右手が右斜め前の位置、切っ先は敵の突然の動きに応じられる様に少し内側に向く。
左足※2を大きく一歩後ろに引く。この時居合腰の状態から腰の高さが変わらないこと。
※1,2:前とは逆である事に注意。
鯉口のところに人差し指と親指でさらに鯉口を作るようにし、刀は物打ちの辺りの峰が左の二の腕に当たるようなイメージで鍔から25cmあたりの峰(「刀の腰」という)を人差し指と親指のあいだの水かきの所に当て、右45度にむけしごく様にして切っ先を鯉口に落とし、柄頭をまっすぐ敵の方に向けつつ(抜刀のときと同じ)左膝を落としながらゆっくりと刀を鞘に納める。刀は鞘の中で峰を滑らし、刃や鎬を鞘の中に当てないこと。鞘を少し前に出しつつ膝が床に着くのと同時に刀を鞘に納めおわる。このとき鍔が膝より前に出ていない様に気をつける事。